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脳は、世界に自前の方眼紙を敷いていた
脳の中には、床全体を等間隔の三角格子で覆う細胞がある。場所を覚えるのではなく、空間の座標系そのものを自分で引いている。
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脳の中には、床全体を等間隔の三角格子で覆う細胞がある。場所を覚えるのではなく、空間の座標系そのものを自分で引いている。
一つに集中すると、その分だけ他が見えなくなる。しかも、見えていないことにすら気づけない。
答えは目で見れば明らかなのに、周りが全員違う答えを言うと、人は多数に合わせて間違える。
脳は入力を受け取るのでなく、絶えず予測し、予測との「ズレ」だけを処理する。見えているのは予想の産物だ。
視界の多くは、脳の限られた処理を奪い合っている。注意とは、勝たせたいものに肩入れする働きだ。
脳は体の内部状態も予測している。感情は、体からの信号そのものより、脳の予想に強く形づくられる。
海馬には、特定の場所にいるときだけ発火する細胞がある。脳は、世界の地図を細胞で持っている。
社会的に排除されたとき、脳は身体の痛みと同じ領域を活動させる。「心が痛い」は比喩ではない。
自分が動くときと、他人が同じ動きをするのを見るときに、同じ脳細胞が発火する。理解は模倣に根ざす。
言語は、世界の捉え方に影響する。時間を縦で語る言語の話者は、時間を縦に考えやすかった。
同じ映像を見ても、どちらを応援しているかで、見える反則の数が変わる。人は世界を、立場を通して見ている。
他人の考えや意図を推し量るとき、決まった脳の領域が働く。心を読むのは、専用のしくみを使う能力だ。